
- 新国立バレエ団 女子163cm以上 男子173cm以上
- Kバレエカンパニー 女子160cm以上 男子170cm以上
- 東京バレエ団 女子160cm以上 男子175cm以上
日本には大小様々なバレエ団があるが、日本を代表する上記のバレエ団の募集を調べてみた。見ても分かる通り、女子も男子も平均以上の身長を求められている事が分かる。列記していない他のバレエ団では、女子155cm以上や158cm以上~というバレエ団も勿論存在する。しかし、身長を募集概要に載せるという事は…極端に背の低い方は「採用しない」という意思表示にも見える。
バレエは残酷にも身体の形式美をも求められる芸術であると思う。手足の長さ、頭の小ささ、甲が出ているか否か…そして誰にも分かる形で求められるものとして鎮座しているのが「身長」ではないだろうか。芸術センスのかけらもない素人の私が見ても、「身長」というカテゴリーにおいては評価を下す事が出来る…「あの人、背が高くて綺麗な身体ね」とか「あの人は小さいけれど、これからまだまだ背も伸びそうだし期待大だね」とか、勝手なジャッジをいとも簡単に出来る。娘の踊りを真似したら、「昆虫が踊っているみたい」と言わしめるほどの芸術センスゼロの私なのに。なんて私はおこがましいのだろう。芸術への冒涜だと思う。でも、現実に身長制限というものは存在しているのだ。

平均身長が日本より高い海外においても、やはり同様であろう。女子は165cm前後~、男子は180cm前後~が多いのではないだろうか。アジアやアメリカはさほど煩くないと耳にするが、ヨーロッパなどは身長が明記されている事が多いようである。
「身長が高すぎると相手の男の人が居なくなっちゃうわよ。小さい方がバレリーナ向きね」
というのは、もはや昔の話のようである。確かに女性はトウシューズを履くと、15cmくらいは身長に+される印象なので極端に高すぎてもパートナーが居なくなりそうだが、男性も高身長傾向ならばさほど心配なさそうである。女子の165cm前後、男子の180cm前後というのは、確かにバランスが良さそうである。

総合芸術だから!!背が高い方がブラボーだよね!!
バレエはダンサーだけでは成り立ちません。音楽、衣装、照明、舞台…様々な芸術が混ざり合って成り立っているものである。大きな舞台ではやはり背の高い方が映える。衣装も、布地の面積が多い方が確かに舞台に映える。舞台の大きさにちょうどいいダンサーならば、音楽の情景もより表現出来るのかもしれない。照明も当たり易く効果を最大限に発揮出来そう…。観客が居て成り立つものが「舞台」ならば、見せる側も最大限により「映える」ように進むのは自然の流れであると言える。
しかし、じゃあ、背が高いからオールオッケー?かと言えば、答えはノーであろう。手足が長い分、音楽のタイミング合わす苦労を考えると、背が低い方が苦労は少ないかもしれない。背が低い方が、使う布地が少なくて済み、財源ある中では得かもしれない。背が高いと、体重も自ずと増えるので、リフト等がある演目については、背が低く軽い方が負担は少ないのも想像に易しい。
どちらにもメリットがあり、どちらにもデメリットはある。背の高さは個性である。大きな人ばかりが務める役柄ばかりではないだろうし、小さい人ばかりでもきっと演目は成り立たない。大きく踊れば背が低いのも蹴散らせるかもしれないし、手足が長い分コントロールを失わないように緻密に鍛錬すれば観客は驚くだろう。運命にあらがうことなく、受け入れ、ポジティブに進む事のみが、バレエと身長の関係を克服する上で大切なことであると考える。
我が家の娘は、小学6年生の秋現在、163cmある。小さな頃から背が高い部類であったが、早伸びタイプであることが予想され、あと少しで止まるのではないかと考えている。大きい事で不利な状況もあったし、利になる時もあった。これはまた後日べつ記事にしようと思う。